
オフィスの移転を計画する際、大きな費用がかかります。また、依頼する業者によって、金額はさまざまです。そのため、相場を正しく理解し、慎重に決めなければなりません。予算を無駄なく、有意義に使いましょう。ここでは、費用の種類や計算方法を解説しています。オフィス移転を成功させたい企業は必見です。
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オフィス移転にかかる費用の種類
まず、必須項目の費用を把握しましょう。費用は大まかに4つあるので、優先的に予算を決めるとスムーズです。
新オフィスの費用
新オフィスをつくるための、最初にかかる費用です。賃貸借契約では、不動産取得費用が必ず発生します。目的は前家賃・敷金・礼金・火災保険料の支払いです。また、内装工事費や設備工事費、ネットワーク工事費、什器購入搬入費も必要です。
これらは、企業の方針に沿って、優先順位をつけるとよいでしょう。おしゃれにしたい場合は、内装工事費・什器購入搬入費の予算が必要です。また、セキュリティを厳重にしたい場合は、ネットワーク工事費を重視しましょう。そして、空調や電気機器の利便性を高めたい場合は、設備工事費が重要です。
現状オフィスの退去費用
旧オフィスには、原状回復工事が必須です。そこでかかる費用を原状回復費用と呼びます。立地やビルのグレード、利用状況によって費用はさまざまです。また、契約時に支払った敷金を回せるので、抑えられることもあります。
引っ越し費用
引っ越し費用は、運搬と処分の2つがあります。新オフィスに、家具・機器・書類などを運ぶ業者費用が必要です。精密機器や社外秘情報など、慎重な取り扱いをしましょう。また、不用品の処分代も必要です。事業で発生した不用品は、産業廃棄物として費用が発生します。極力、不用品を減らす努力が必要です。
諸費用
移転することで、オフィスの住所が変わります。その際、パンフレットや名刺などの作り直しが必要です。社員数や予定企画を考慮し、上手に調整しましょう。
オフィス移転費用の目安とその計算方法
移転には、あらゆる業者を利用します。中には、高額請求する業者もあるので注意が必要です。ここでは、各費用の相場を解説します。
賃貸借契約の不動産取得費用
新オフィスが賃貸借契約の場合、前家賃・敷金・礼金・火災保険料が必要です。また、不動産仲介会社を利用する場合、仲介手数料もかかります。前家賃は当月分を支払いますが、入居のタイミングによって翌月分も必要です。
そして、敷金は大型ビルの場合、家賃6~12か月程度とされます。また、個人オーナービルの場合、家賃6か月程度です。礼金は、大型ビルでは不要な場合があります。
個人オーナービルでは、家賃2か月分程度です。そして、火災保険は2年契約で、2~3万円程度がかかります。さらに、不動産会社を使うと、仲介手数料が家賃半月~1か月分必要です。
内装・設備工事費
内装工事費は1坪20万円程度です。デザインにこだわりたい場合は、さらに高くなるので予算を立てましょう。また、電気や空調など、設備工事費は1坪30万円程度になります。機器類の配置など、想定したうえで工事依頼しましょう。追加工事した場合、費用がかさむので注意が必要です。
オフィス用品・機器準備費
オフィスには、デスク・椅子・棚・パーテーション・カウンターなど、大がかりなものが多数あります。機能性やデザイン性で異なりますが、従業員ひとり20万円程度です。また、ネットワーク機器や電話機の移設は、1坪10万円程度になります。しかし、業者ごとに料金差があるので注意が必要です。納得できるサービスと料金を探しましょう。
原状回復費用
賃貸物件は解約時、原状回復が必須です。個人オーナービルは1坪8万円、大型ビルは1坪10万円程度になります。入居時に支払った敷金から差し引き、必要な金額を出しましょう。
引っ越し費用
引っ越しの運搬費は、従業員ひとり3万円程度がかかります。また、産業廃棄物の処分費は、2トントラックで8万円、4トントラックで15万円程度です。できる限り、費用を抑える工夫をしましょう。
リサイクル業者では、エアコン・冷蔵庫・テレビ・パソコン・電話・FAXなどを買い取ります。さらに、金クズ・プラスチック類・ガラスも引き取っているので上手に利用しましょう。
その他諸費用
新しい住所が記載された印刷物、セキュリティーカードなども費用が必要です。従業員1人2万円程度がかかります。また、公共機関の住所変更を司法書士に依頼すると、20万円程度が必要です。複雑な手続きが多いので、極力利用しましょう。
オフィス移転費用の節約方法とは?
オフィス移転では、大きな費用が避けられません。初期費用として前賃料、敷金礼金、仲介手数料、火災保険料、保証会社費用、移転費用が発生し、他にも新オフィスの家具などの費用や旧オフィス撤去など様々な費用が発生します。
前賃料では、入居月と翌月と2ヶ月分が必要です。新オフィスには新しい家具などの購入や、電話や電気、LANの配線工事などにも費用がかかります。また、旧オフィスの撤去時にも廃棄物処分費と原状回復工事費などが必要です。
節約方法のひとつ目は、複数の業者を把握し見積もりを取ることです。比較検討することで、安い見積もりを選びやすくなります。2つ目は、移転スケジュールに余裕を持つことです。
夜間作業が発生したり、業者のスケジュールが確保できなかったりすると追加費用がかかります。少なくとも1年以上前から計画的にスケジュールを立てましょう。3つ目は、セットアップオフィスや居ぬき物件を利用する事もおすすめです。
これらの選択肢も増えており、新オフィスの費用を抑えられます。4つ目は、持ち運び可能のポータブルバッテリーを活用することでコスト削減に繋がります。新機購入の費用はかかりますが、撤去時の配線関連の原状回復工事がかかりません。
これらのコスト削減方法を実行すると、新オフィス移転の一般費用を抑えられるでしょう。
失敗しないオフィス移転業者の選び方
オフィス移転は長期プロジェクトであるため、自社で費用やスケジュールなどを把握するのは骨が折れる作業です。信頼できるパートナーや、費用の相談などができる業者選びをしましょう。まず、プロジェクトマネジメントが可能な会社の選定が必要です。
スケジュールやコストなどの管理はとても大変なので、プロジェクト管理が全体的にできる業者を選べば安心です。移転プロジェクトのスケジュールやタスク、コストを管理してくれます。
他にも要望に沿ったシミュレーション図面の作成、費用の算出をしてもらえる会社もおすすめです。しっかりと費用を算出し、概要を分かりやすくまとめてくれる会社は予算から検討しやすくなるでしょう。
また、利用者の口コミが良く、誠実で丁寧に対応してくれる会社であれば安心して任せられます。新オフィスでは、社員がさらに働きやすい環境が必要となります。
社員達が働きやすいオフィスを構築するために、事前に社内アンケートやヒヤリングからサポートまでを、充実したプランで提案してくれる会社も選択肢のひとつとして必要です。内装工事や引っ越しなど、総合的に請け負える業者にまとめて依頼しましょう。
各関係会社との調整や、工程管理なども請け負ってくれるため、担当者の負担を減らすことが可能です。新オフィス移転前に、課題を解決してくれる会社を選びましょう。
オフィス移転の際に注意すべきポイント
企業にとって移転は大きなプロジェクトです。失敗しないために、注意ポイントを理解しましょう。
入念な計画を立てる
移転には、数千万単位の費用が必要です。そのため、細かく計画を立てましょう。オーナーへの解約通知・各費用のリサーチ・業者決め・作業日など、移転業務は多数発生します。通常業務に時間が裂けなくなるので、担当チームを作ると効率的です。
費用は坪数・従業員数で決まる
予算を立てる上で、必ず従業員数を把握しましょう。引っ越し費用など、ひとりあたりで金額を出します。また、デスクスペースは、ひとり2~3坪が必要です。
従業員人数から、最低限必要な面積を計算しましょう。そして、不動産費用や工事費用は坪数換算が基本です。広くなるほど、費用が高くなると認識しましょう。
償却費扱いの敷金
通常、支払った敷金を原状回復費用に回します。しかし、敷金が返還されない契約もあるので注意が必要です。償却費と設定されており、個人オーナービルに多く見られます。原状回復費用は高額になるので、敷金を使えるかの確認をしましょう。
まとめ
企業規模に関係なく、移転はとても手間のかかる業務です。予定する場合、充分な時間をとりましょう。計画を立てるだけでも大変な作業です。そこで、移転を任せられるオフィスデザイン会社に依頼するとよいでしょう。大阪には多数の専門会社があるので、理想の移転が叶います。スムーズに安心して進められることがメリットです。積極的に利用し、移転業務を成功させましょう。