オフィスでは、デスクや設備の配置によって働きやすさが変わります。移動するたびに遠回りしたり、通路で人同士がぶつかりそうになったりする場合は、動線に問題があるかもしれません。限られた空間を使いやすくするには、日々の行動を考えたレイアウトが大切です。本記事では、オフィスの動線を見直す際のポイントを紹介します。
オフィスの動線が悪いと業務の負担につながる
オフィスの動線とは、従業員が仕事をするなかで移動する経路を指します。デスクから複合機へ向かう、会議室へ移動するなど、勤務中にはさまざまな移動が発生します。ひとつひとつは短い距離でも、使いにくい配置が日常的な負担になる場合があるため注意しましょう。
移動のたびに遠回りが発生する
頻繁に利用する設備がデスクから離れていると、業務のたびに長い距離を移動しなければなりません。たとえば、書類を扱う部署から複合機や収納棚が遠ければ、何度も往復する必要があります。短時間の移動でも、一日に何度も繰り返せば負担に感じるでしょう。
レイアウトを考える際は、設備を空いている場所へ配置するだけでなく、誰がどの程度利用するのかを確認するのがポイントです。利用頻度の高いものを使いやすい場所へ配置すると、無駄な移動を減らしやすくなります。
通路が混雑すると移動しにくくなる
人がよく通る場所に家具や設備が集中していると、通路が混雑しやすくなります。出入口や複合機、ロッカーなどの周辺は複数の人が集まりやすいため、充分なスペースがあるか確認しましょう。また、デスクの後ろを主要な通路にすると、椅子を引いた際に人が通りにくくなる場合があります。
従業員が多いオフィスでは、始業前や昼休みなど特定の時間に移動が集中する可能性もあります。図面上では通れる広さがあっても、実際の使い方によって狭く感じる場合があるため、利用場面を想像して配置を考えることが大切です。
働き方に合わせてレイアウトを考える
使いやすい動線は、すべてのオフィスで同じではありません。部署ごとの業務内容や従業員数、来客の多さなどによって必要な移動経路は変わります。見た目の整ったレイアウトだけを目指すのではなく、実際の働き方を整理したうえで配置を検討しましょう。
日常的な移動を整理する
まずは、従業員が勤務中にどこへ移動しているのか確認します。複合機や会議室、収納スペースなど、よく利用する場所を把握すると、優先したい動線が見えてきます。部署によって移動先が異なる場合は、それぞれの業務を分けて考えるとよいでしょう。
たとえば、打ち合わせが多い部署なら会議スペースへの移動が多く、書類を頻繁に扱う部署では収納や複合機へのアクセスが重要です。現在のオフィスで「毎回遠回りしている」「人とすれ違いにくい」と感じる場所を確認するのも、改善点を見つける手掛かりになります。
部署同士の関わり方も意識する
レイアウトでは、各部署の席をどこに配置するかも重要です。頻繁にやり取りする部署が離れていると、簡単な相談や資料の受け渡しにも移動が必要になります。反対に、集中して作業する部署の近くを多くの人が通る配置にすると、落ち着いて働きにくくなる場合もあるでしょう。
業務上のつながりを確認し、コミュニケーションを取りやすくしたい部署と、静かな環境を確保したい場所を整理するのがおすすめです。単純に部署ごとに区切るのではなく、仕事の進め方を考えながら配置を決めると、日常の動きに合ったレイアウトを検討できます。
来客と従業員の動線を考える
来客が多いオフィスでは、従業員だけでなく訪問者がどのように移動するかも確認しましょう。受付から会議室までの経路が業務スペースの奥を通る配置では、来客と従業員の移動が重なりやすくなります。また、訪問者からデスクや書類などが見えやすい状態になる懸念もあります。
受付や応接室、会議室を入口に近い場所へまとめるなど、来客が必要以上に業務エリアへ入らなくても移動できる配置を検討するとよいでしょう。利用する人ごとに動線を分けて考えると、オフィス全体の使い方を整理しやすくなります。
レイアウト変更では安全性や将来の変化も確認する
動線を短くするだけでは、働きやすいオフィスになるとは限りません。通路の安全性や家具の使いやすさなども考える必要があります。また、従業員数や働き方が変化すると、現在使いやすい配置が合わなくなる場合もあります。長く使う視点をもってレイアウトを考えましょう。
通路の幅や家具の位置を確認する
レイアウトを変更する際は、人が安全に移動できる通路を確保する必要があります。デスクや収納家具を詰め込みすぎると、通路が狭くなり、すれ違いや移動がしにくくなるでしょう。椅子を引いた状態や収納扉を開けた状態まで想定して、通行を妨げないか確認するのがポイントです。
また、出入口の周辺に家具を置くと、人が集中した際に移動しにくくなる場合があります。日常の使いやすさだけでなく、災害時の避難経路を妨げない配置になっているかも確認し、安全に移動できる空間を確保しましょう。
共有スペースの位置を見直す
複合機や収納、休憩スペースなど、複数の従業員が利用する場所は動線が集まりやすくなります。利用頻度が高い設備を狭い場所へまとめると、人が集中して通行を妨げる恐れがあります。一方、共有設備を遠くへ配置しすぎると、利用するたびに移動が増えてしまいます。
誰が使うのか、どの時間帯に利用が集中するのかを確認し、アクセスしやすさと周囲の広さを考えて配置しましょう。休憩スペースについても、業務エリアを横切らなければ利用できない場所より、従業員が移動しやすい位置を検討する方法があります。
将来の人数や働き方も想定する
オフィスのレイアウトは、現在の従業員数だけを基準にすると、増員や組織変更の際に使いにくくなる恐れがあります。人員が増えたときに通路が狭くならないか、席の追加や配置変更ができるかも確認しておきましょう。また、固定席からフリーアドレスへ変更するなど、働き方が変われば人の動きも変化します。
移転や大規模なレイアウト変更を行う場合は、将来の計画も踏まえて検討するのがおすすめです。家具を動かしやすい配置にするなど、変化へ対応しやすい空間を考えておけば、状況に応じて見直しやすくなります。
まとめ
オフィスの動線が使いにくいと、移動のたびに遠回りが生じたり、通路が混雑したりして、日々の業務に負担を感じる場合があります。レイアウトを見直す際は、従業員が普段どこへ移動しているのかを確認し、利用頻度の高い設備や部署同士の関わり方を踏まえて配置を考えましょう。来客が多い場合は、受付から会議室までの経路も重要です。また、家具を置いた状態だけでなく、椅子や収納扉を使う場面まで想定して通路を確保する必要があります。現在の働きやすさだけに注目せず、増員や働き方の変化にも対応しやすい配置を検討し、安全で移動しやすいオフィスづくりを目指しましょう。