
リフレッシュスペースは、単に休憩室としてだけでなく、社員同士のコミュニケーション促進や生産性向上といった多くのメリットをもたらします。一方で、設置にはコンセプトの明確化や、配置場所の選定、レイアウトの工夫が欠かせません。この記事では、リフレッシュスペースのメリットと、設置の際のポイントについて詳しく解説します。
オフィスにリフレッシュスペースを設置するメリット
リフレッシュスペースとは、社員が業務から離れ、心身をリフレッシュできる空間を指します。
近年、在宅勤務とオフィスワークを組み合わせたハイブリッドワークが普及しており、オフィスには「出社でしか実現できない業務を実施する場所」という側面がさらに強くなりました。
リフレッシュスペースの設置には、社員同士のコミュニケーションを促進するなど、多くのメリットがあります。
コミュニケーション活性化
リフレッシュスペースの最大の魅力のひとつは、社員間のコミュニケーション活性化です。固定席を採用するオフィスでは、同じ部門内の社員同士でのやり取りは充実している一方で、他部門との交流が不足しています。
このような課題を解消するひとつの方法が、リフレッシュスペースです。部門メンバー以外とも交流できる場を提供することで、社内全体の連携力が向上するでしょう。
人材定着
リフレッシュスペースは、優秀な人材の定着にもつながります。快適なオフィス環境は、ここで働き続けたいと感じる大きな要因です。離職率が低下し、企業全体の人材の安定感が高まります。
ブランディング構築
リフレッシュスペースは、企業ブランディングの一環としても機能します。快適で洗練されたスペースがあることで、来客によい印象を与えられます。さらに、就職活動中の学生にとって、働きやすい環境は企業選びの重要な要素です。そのため、働きやすさをアピールする手段としても効果的です。
生産性向上
リフレッシュスペースは、生産性の向上にも寄与します。適度な休憩を取ることは、仕事の効率を高めるために重要です。リフレッシュスペースで一息つくことで、集中力を回復させ、パフォーマンスを向上させる効果が期待できます。
イノベーションの起点になる
リラックスした状態では、通常よりも新しいアイデアや解決策が生まれやすいとされています。そのため、社員の発想力や創造力を高める場としても活用できます。また、異なる部門の社員同士が気軽に交流することで、独創的な発想やプロジェクトのアイデアが生まれる可能性も広がるでしょう。
リフレッシュスペースを新設するときのポイント
オフィスに新たにリフレッシュスペースを設ける際には、ただスペースを確保するだけではなく、社員の快適性や使いやすさを考慮した工夫が求められます。設置の目的を明確にし、企業文化に合わせて設計することで、より効果的なリフレッシュスペースが実現するでしょう。
コンセプトを明確に
まず、リフレッシュスペースの目的を明確にすることが重要です。単に社員のリフレッシュを目的としたいのか、あるいはコミュニケーションや多目的利用の場として活用したいのかによって、設計や設備の内容が大きく変わります。
心身のリラックスを目的とする場合には、ソファやクッションなどのリラックスできる家具や、落ち着いた照明が必要です。一方で打ち合わせや軽作業もできる空間を目指すなら、作業しやすいテーブルやWi-Fiの設置が不可欠です。
設置場所の選定
リフレッシュスペースをどこに設置するのかも、非常に重要です。リラックスを主目的とするなら、オフィスのメインスペースから離れた静かな場所が理想的です。
一方、社員同士のコミュニケーション活性化をねらう場合には、人の動線上に設置することで自然と会話が促進されます。このように、目的に応じて設置場所を慎重に検討することが大切です。
リラックスできること
リフレッシュスペースの必須要素は、社員が心からリフレッシュできる空間であることです。したがって、執務室の視界から遮断されていることが大切といえます。
また、木材や植物を取り入れた自然を感じられるインテリア、柔らかな配色の家具を配置し、温かみのある雰囲気を演出することなどが効果的です。さらに、スペースの魅力を高めるために、軽食やドリンクを提供する場として設計するのもよいでしょう。
たとえば、コーヒーマシンや冷蔵庫を設置したり、お菓子を用意したりすることで、社員が自然と足を運びやすい場所になります。また、ランチタイムには食事を優先し、その他の時間帯にはミーティングや急な来客対応にも利用するなどのルールを明確に定めることで、多目的スペースに活用可能です。
理想的なレイアウトは、会社によりさまざまであり、明確な正解はありません。以下の記事も参考にして、理想的なリラックス空間を作ってみてください。
プライバシーへの配慮
リフレッシュスペースがあまりにも開放的だと、周囲の視線や音が気になり、十分にリラックスできない可能性があります。プライバシーに配慮するためにも、着席時に視線をさえぎるデザインのソファなどを導入するのが有効です。
まとめ
リフレッシュスペースは、従業員の心身を癒すだけでなく、コミュニケーションの活性化や、業務効率の向上にも寄与する重要な空間です。設置にあたっては、リラックスできるデザインや、プライバシーへの適度な配慮を取り入れることで、利用率の高いスペースを実現できます。また、飲食が可能な環境や多目的に使える設計を加えると、さらに利便性が高まります。慎重に検討し、快適で活発なオフィスを実現してください。